輪読会

臨床組織科学研究会では、組織科学・複雑系科学・神経科学に関連する論文の輪読会を定期的に開催しています。

開催概要

参加対象

大学院生、学部生、研究者、実務家など、学術論文の読解に関心のある方はどなたでも参加いただけます。所属機関・分野は問いません。

これまでの輪読論文

2026-07-21
The Effects of Feedback Interventions on Performance: A Historical Review, a Meta-Analysis, and a Preliminary Feedback Intervention Theory
Kluger, A. N., & DeNisi, A. — Psychological Bulletin, 119, 254–284 (1996)
https://doi.org/10.1037/0033-2909.119.2.254
議論のポイント:フィードバック介入に関する歴史的レビューとメタ分析を精読した。 介入の約3分の1がむしろパフォーマンスを低下させるという反直感的な知見と、 注意が課題そのものか、課題遂行の学習か、あるいはメタ課題(自己)のいずれの水準に 向かうかによって効果の方向が反転するというフィードバック介入理論(FIT)を確認した。 ループ変換設計(Loop Conversion Design)の観点から、注意を自己評価の水準に 向けさせる介入がかえって批判や防衛反応を増幅する自己増幅的なループ (システム論上の正のフィードバック)を生みうる危険性と、3Good1Moreのような プロトコルがこの落とし穴をどう回避しうるかを議論した。
2026-07-07
Reconceptualizing Organizational Routines as a Source of Flexibility and Change
Feldman, M. S., & Pentland, B. T. — Administrative Science Quarterly, 48, 94–118 (2003)
https://doi.org/10.2307/3556620
議論のポイント:組織ルーティンを「反復的で相互依存的な行為パターン」として再定義した基礎文献を精読した。 観念的側面(ostensive)と実演的側面(performative)の二重性という中核概念から、 ルーティンが硬直の源泉であると同時に柔軟性と変化の内在的な源泉にもなりうる という知見を確認した。臨床組織科学(Clinical Organizational Science: COS)が 前提とする「組織の安定は相互作用構造の再帰的な再生産によって能動的に維持されている」 という理解の理論的裏付けとして本論文を位置づけられるかを議論し、 個人の習慣化が組織レベルのアトラクター遷移へと集約される創発の橋の各層と、 performativeな遂行の反復がどう対応するかも検討した。
2026-06-23
Tiny Habits: The Small Changes that Change Everything
Fogg, B. J. — Boston, MA: Houghton Mifflin Harcourt (2019)
議論のポイント:行動設計の実践的枠組み(B=MAP:行動=動機×能力×きっかけ)を精読した。 行動を極小化して環境内のアンカーに接続するという設計思想が、 神経基盤設計(Neural Base Design)における日次・週次リズムの実装原理と どのように対応するかを整理し、個人の習慣形成を組織ルーティンへ 接続する際の設計上の論点(きっかけの共有性、祝福の社会的機能)を議論した。
2026-06-02
Psychological safety and learning behavior in work teams
Edmondson, A. C. — Administrative Science Quarterly, 44, 350–383 (1999)
https://doi.org/10.2307/2666999
議論のポイント:心理的安全性概念の原典論文を精読した。チーム単位で心理的安全性が形成される というレベル設定の含意と、学習行動を媒介してパフォーマンスに至る経路を確認し、 臨床組織科学の観点から、心理的安全性を「介入の結果」としてだけでなく 「ループ変換が成立するための場の条件」として位置づけられるかを議論した。 測定尺度の設計と逆転項目の扱いについても検討した。
2026-05-19
Field Theory in Social Science: Selected Theoretical Papers
Lewin, K. — New York, NY: Harper & Row (1951)
議論のポイント:場の理論の原典にあたり、B=f(P,E)の定式化、生活空間、準静的均衡といった 中核概念を確認した。組織の安定を「力の均衡が能動的に維持されている状態」と 捉えるLewinの視点が、複雑適応系のアトラクター概念および 場の勾配理論(Field Gradient Theory)の出発点とどう接続するかを中心に議論し、 解凍—移動—再凍結モデルの現代的な再解釈についても意見交換を行った。
2026-05-01
Clinical Organizational Science: an integrative framework for structural intervention in complex organizations
Yamanaka, M., & Nakamori, M. — Frontiers in Psychology (2026)
https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1827324
議論のポイント:臨床組織科学(Clinical Organizational Science: COS)の理論的枠組みについて、執筆者による解説と質疑応答を行った。 創発の橋(emergence bridge)による個人の習慣化から組織アトラクター遷移までの多層的メカニズム、 および3つの介入技法(場の勾配理論/ループ変換設計/神経基盤設計)の階層的アーキテクチャを中心に議論した。

参加方法

参加をご希望の方は、contact@cos-research.org までご連絡ください。ZoomのURLをお送りします。